電気自動車の様なハイブリッド ”ノート e-POWER”に試乗しました [車]
駆動はモーターのみでエンジンは発電専用のハイブリッド、「ノート e-POWER」に試乗しました。
今回の試乗レポートは搭載されたエンジンは発電専用、モーターのみで走るハイブリッド「ノート e-POWER」です。
システムの概念図はこちら。
現在一般的なハイブリッド(ニッサンに言わせると「従来型」らしい)はエンジンが主体ですが、「ノート e-POWER」はモーター主体で電気自動車にエンジン発電機を積んだ様なモノ。しかし、一般的な電気自動車のように外部充電は行えなえず、その代わりに電池容量を減らしてコストを落としているのだそうです。
発売開始は11月2日でしたが、多くのディーラーの試乗車は5日あたりから配備されてますので、新しい感覚を確認すべくニッサンディーラーに行って試乗させてもらいました。
試乗車のグレードは「e-POWER MEDALIST」。
カラーは「ブリリアントホワイトパール」。
「ノート e-POWER」には13色ものボディカラーがあり、そのうち有料カラーは試乗車のカラーを含む6色で価格は税込み37,800円となります。
また、この試乗車にはオプションのフロント・サイド・リアプロテクター+ルーフスポイラー=税込み152,000円が取り付けられていました。
ドアを開けて運転席に乗り込みます。
シート表皮は織物/合皮です。
ステアリングは「e-POWER MEDALIST」だと皮巻きですね。
ステアリングの形状は以前試乗した新型「セレナ」と同じですが、ステアリング右側にあった「プロパイロット」機能のスイッチがありません。
メーターはこんな感じ。
メーターの右側にあるエンジン・バッテリー・タイヤのアイコンがe-POWERの動作モニターになります。
以前試乗させてもらったネオチューン施工したノートにはタコメーターが付いていました。
しかしe-POWERのメーターにはタコメーター付いてないですね。
では試乗開始です。
まずはブレーキを踏んで「スタート」ボタンを押すとエンジン始動。でもバッテリーに電気が溜まっているからかすぐにエンジン停止しました。
続いてシフトレバーを「D」に入れてスタート。ディーラーの駐車スペースを移動している間はモーターで走ります。
ディーラーから幹線道路に出るときにステアリングを回すと・・・パワステ軽~い(^_^;)。
そして段差を通過すると・・・運転席では結構ソフトなタッチに感じます。
タイヤサイズは185/65R15で、ブリヂストンのB250です。
今回も妻にリアシートチェックをしてもらっています。
乗り心地についてはリアシートの場合突き上げがあり振動が腰まで来るとの事。
運転席だとそれほど悪く感じなかった乗り心地ですが、リアシートは今ひとつ?。
その原因の一つがシートにある様で、リアシートの座り心地は背もたれのホールド感があり座面も広くて良かったそうですが、体がシートに密着する分振動が腰にストレートに伝わったようです。でも突き上げ感の最大要因はダンパーでしょうか?。
以前試乗させてもらったネオチューン施工したノート、ネオチューン施工した理由は後席に乗った奥様から「突き上げはひどくて乗り心地が悪い!」とダメ出しされたからでした。
e-POWERになってもそこはあまり改善されていないのかもしれないですね。
それからリアの居住性に影響を与えるかと思っていたバッテリーの搭載位置。
バッテリーはフロントシート下に収められているので、この様にバッテリーのカタチに出っ張りが出来ています。
ここに足が入らない事で窮屈に感じるかと思ったのですが、妻に聞くと「足元は広かったよ」との事。
あとで自分もリアシートに座ってみたのですが、シート座面が高くて足元のスペースが広いので足をシート下に入れる必要がない。なのでバッテリーの出っ張りがあっても問題ナシなのでした。
ここからまたドライバー目線に戻して・・・。
一般道に出てじわりと加速していくと、まずはモーターのみで加速していきますが、思ったよりも早くエンジン始動。
エンジンは発電専用なので始動時のショックは全くと言って良いほど感じられず、エンジンが回り始めてもその音は小さく、まるで遠くにエンジンがある様な感じ。ただし、伝わってくるエンジン音から回転数はそこそこ上がってる感じで、走行中の速度に対してエンジン回転が高く感じられ少し違和感が・・・。エンジンはなるべく効率の良い回転数を使うセッティングなのでここは仕方ないですかね?。
※追記
エンジンが発電しているときは『3600~5200rpmと最も効率の高い回転ゾーンを使用する。』そうです。普通のノートは60km/hでのエンジン回転数1000rpmなので、「ノート e-POWER」は発電しだすと「エンジン随分回ってるな~」と感じるかも。
◎アクアを超える燃費のニッサン新型ノート「e-POWER」が旋風を起こす! - ニュース【新車情報】 - carview! - 自動車
「ノート e-POWER」は遮音をしっかりやっているそうで、走行中も結構静です。
しかしここでも「運転席では」と書く必要があり、リアシートに座っていた妻に聞くと「走ってる音がどんどん入って来て結構うるさかった」そうな。
ちなみにこの試乗車はトノカバー(オプション)を付けていなかったので、それを着けて走ると違った結果になっていたかもしれません。
次にニッサンが「アクセルペダルだけでワクワク運転」と言ってる「e-POWER Drive」。
切替はこのシフトレバーか、シフトレバー右下にある「DRIVE MODE」ボタンを使います。
「DRIVE MODE」ボタンを切り替えると、加減速がこの様に変わるそうです。
シフトレバーを「D」から「B」に切り替えても減速は強まるそうなので、まず最初に「B」に切り替えてアクセルを戻すと・・・おぉぉぉ、かなりの減速感!。
前方の信号が赤になったのでこのまま「B」で減速していくと、どんどん速度が落ちてブレーキペダルを一度も踏まずに完全停止!。ナルホド、これが停止まで回生するって事なのね。
続いてシフトを「D」に戻して「DRIVE MODE」ボタンを切り替えて走行すると、やはりアクセル戻すとかなり減速。想像以上に減速するので、自分の止めたい位置で停止できるようになるにはちょっと時間かかるかも?。
ただしこの減速、注意して使わないと同乗者にとっては意図せず前後Gを喰らって体を揺すられるので、エコかも知れないけど同乗者はツライだけになりそう(この確認してたとき妻は気持ち悪かったと言ってました)。
一人で運転する時は自分好みに走らせればいいけど、同乗者が居る場合はアクセル操作は慎重に行った方が良さそうです。
それから走行モードを切り替えるとき、センターコンソールに付いてるシフトレバーやスイッチを押す必要があるのですが、これらを走行中に切り替えるのはちょっとやりづらい。もしアウトランダーPHEVみたいにパドルシフトで回生ブレーキの強さを切り替える事が出来るとまた違うのでしょうけど・・・。
そうそう、肝心のモーターでの加速感ですが、ゼロ発進時にアクセルを踏み込むとモーターのトルクを凄く感じて確かに早い!。この早さはちょっと感動モノです!。
アクセルを強く踏み込むとエンジン回転数も上昇しますが、アクセルの踏み込み具合に合わせて回転が上下するし、回転が上がってもエンジン音は比較的静かです。
次にクルコンチェック・・・といきたい所だったのですが、「ノート e-POWER」にはオプションでもクルコンの設定は無いそうです・・・残念。
クルコンチェック出来ないので一定速度で流していたのですが、思ったよりエンジン動いてます。駆動用バッテリーのモニター見ると充電量はまだ十分ありそうなのにエンジンが回って発電するみたいなのです。
また、信号で停止している時も、バッテリー充電量はまだ十分ある様に見えるのに時々エンジンが掛かって発電してます。
同乗していたディーラーマンは「エアコン動かしているから停止時もエンジンが回ることがある」と言っていましたけど、トヨタのTHS2の場合はバッテリー充電量があればエアコン回っていてもエンジンは掛かりません。「ノート e-POWER」のエアコンはエンジン停止時効かないのでしょうか?。
と言う事で試乗終了。
車を降りて、いつもの様にトランクを開けてみます。
車のサイズから考えるとトランク容量は十分でしょう。
トランクのカバーを開くと・・・こんな所に補機バッテリーが。
理由はボンネットの中が一杯なので、補機バッテリーはトランクに追いやられたのでした(^_^;)。
斜め前から見てみます。
エアロ付きなので結構イイ感じ♪。
メダリストはアルミも標準です。
「ノート e-POWER」は新しくデザインされたグリルにブルー加飾されています。
この色がエコっぽいですね(^。^)。
と言う事で、「ノート e-POWER」に試乗した印象は、確かに今までのハイブリッド車とは違う乗り味は新鮮です。
新鮮さとトレードオフでエンジンの回り方とかちょっと違和感もあったりしますが、それが新しさという物なんでしょうね。
加速力はこのクラスではぶっちぎりの早さ!。回生ブレーキを「ブレーキとして使う」のも悪くない。でも出来れば回生力の切替が欲しかった。
乗り心地や静かさについては、運転席とリアシートの差が大きかった。開発はリアシートの事も考えて作っているのでしょうが、もうひとがんばりと言ったところでしょうか。
ニッサンのEV技術をベースとしたハイブリッドが出て来て、トヨタ式、ホンダ式などそれぞれ個性があるので、選ぶ悩みが増えて購入を検討するユーザーにとってはうれしい悲鳴ですね(^_^;)。
※オマケ
2016年12月8日にノートe-POWER・NISMOが追加発表されるそうです(発売は12月11日)。
◎12月にも追加されるノートe-POWER NISMO
「ノート e-POWER」ウェブリンク
◎日産、ノートe-POWER発表 ガソリンで動くけど走りは電気自動車
◎[試乗]日産 新型ノート e-POWER(イー・パワー)は他のハイブリッドとどう違う!?
◎【NOTE e-POWER】ひと踏み惚れ
◎日産 ノートに搭載された新パワートレインe-POWERを動画で解説!(公式動画)
2015年試乗履歴まとめ 2015年「試乗しました」リンク集まとめ(メガウェブで新型プリウスの比較試乗をして来ました) | |
2014年試乗履歴まとめ 2014年「試乗しました」リンク集まとめ | |
2013年試乗履歴まとめ しのぴん「試乗しました」勝手に(?)人気アワード2013 |
おはようございます。
e-POWERさっそく試乗されたんですね。
私も気になってる1台ですけど、スタイルがどうにも馴染めません^^;
by タンタン (2016-11-06 07:06)
タンタンさん、ご訪問&nice&コメントありがとうございます。
ノートのスタイルが馴染めませんか・・・。ミラージュの時もそうでしたがノートもコンセプトカーの時は結構カッコイイと思ったんですが。
ノート↓
http://shinopin.blog.so-net.ne.jp/2012-07-19
ミラージュ↓
http://shinopin.blog.so-net.ne.jp/2011-11-09
逆にコンセプトカーとほぼ同じ形で出て来たのがC-HR。これにはビックリしました(^_^;)。
by しのぴん (2016-11-06 08:11)
e-powerよくわかりました。
しかし、回生ブレーキはなんかいまいちっぽいですね。
あとエンジンが完全にコンピュータが制御するということでは、しばらくは違和感があるかもですね。
私はプリウス乗りですが、エンブレモードで電池が満タンになったときに本当にエンジンがまわるんですが、そこはなんとかならないのかな~て思います^^
まあでも各社いろいろある方がユーザとしては楽しいかもですね。
by とまと (2016-11-06 14:17)
とまとさん、ご訪問&nice&コメントありがとうございます。
ノートe-POWERは回生ブレーキがペダルと協調しないので、トヨタの様に回生ブレーキの回生量を自由にコントロール出来ません(BMWのi3もそうみたいですね)。なので回生ブレーキだけで止めたい場所に止められるようになるには結構訓練が必要そう(^_^;)。
プリウスや我が家のエスハイもそうですが、下り坂が長く続く場所だと電池が満タンになってしまいますよね。満タンになったらエネルギーの行き場が無いのでガソリン車と同じエンブレ(とメカブレーキ)で減速するしかないから、どうしようもないんでしょうね。
発売が絶賛延期中のプリウスPHVなら電池容量が大きいので、長い下り坂でもずっと回生してくれそうです(^。^)。
by しのぴん (2016-11-06 15:08)